夫婦の会話がかみ合わない原因は、思考タイプのズレかも— 決めたい人と考えたい人の歩み寄り方

夫婦の何気ない会話の中で
「あれ?なんだか噛み合わないな」と
会話に満足できなかったことはありませんか?

夫との何気ない会話の中で、
モヤッとすることがある。

意見がぶつかったとか
ケンカになったというよりも、
会話がかみ合わない」ことへのもどかしさ。

私の場合、

それはどこに外食のお店を決める時だったり
ちょっとした予定の調整だったり
本当に些細なこと。

でも、話している途中で
なぜかすぐに結論を出されてしまって

「え?まだ考えたかったのに…」
とモヤモヤすることがよくありました。

相手は悪気があるわけじゃないのも分かってるし
私もわがままを言ってるつもりはないのに。

どうしてこんなに噛み合わないんだろう――
そんな疑問が、ずっと心のどこかに引っかかっていたんです。

そんなとき、

私は自分の思考力が足りないんじゃないか、
決められない自分が悪いんじゃないかと
悩むこともありましたが、

最近ふと気づいたのです。

もしかしてこれは
「思考のクセ」の違いなのでは?と。

今回は、
そんな私の気づきをベースに

「会話がかみ合わない夫婦の正体は“思考タイプの違い”だった」
というテーマでお話ししてみたいと思います。

気づきのきっかけ

先日、夫とある予定について
話していたときのことです。

私は「Bもいいけど、Aもありかなぁ」と
いろんな可能性を考えながら話していたんですが

夫は私が最初に口にした「B」を聞いた瞬間に、

「じゃあBってことで決まりね!」

と、即決のようなかたちで
話を終わらせようとしました。

そのとき、
私はなんとも言えない違和感を覚えました。
「いや、まだ“決まり”じゃないんだけど…」

私の中では、まだ比較検討している途中で
結論はこれから一緒に考えたい
と思っていたんです。

でも夫にとっては、
「Bって言った=Bに決まった」という流れのようで
もうその先に対話の余地はない雰囲気。

結果として
私は少し突き放されたような気持ちになってしまいました。

それ以来、似たような場面をふり返ってみると
どうも私たちは

「意見が違う」のではなくて、
結論を出すスピード感考え方の進め方が違う」
だけなのかもしれない、と気づいたんです。

会話がかみ合わないのは、「考え方のスタート地点」の違いかもしれない

私が気づいたのは——
思考の出発点が違うということでした。

どういうことかというと、

たとえば夫は、こう考えているタイプ。

  • 「無駄に話を長引かせたくない」
  • 「効率よく決めて、すぐ動きたい」

つまり、
彼にとって“会話”とは結論を出すための情報交換

一方で私は、“会話”だからこそ、

  • 「いろんな可能性をいったん見渡してから決めたい」
  • 「結論にたどり着くまでの時間も一緒に大事にしたい」

そんなふうに思っています。

思考タイプの違いは、
たとえば旅行スタイルにも表れます。

夫は「目的地に着いてこそ満足」なタイプ。
目的地が決まって、そこにたどり着いてこそ「意味がある」と感じる。

私は「道中を一緒に楽しみたい」旅タイプ。
なんなら目的地に着かなくてもOK
寄り道や迷い道も含めて、「一緒に過ごす時間」にこそ価値を感じている。

これらって、
どちらが正しいわけでも間違っているわけでもなく

そもそも“旅に求めているもの”が違うだけ
なんですよね。

この感覚の差が、
会話でもそのまま表れていたんだと思います。

仕事では私も“夫タイプ”になることがある

何故、この違いに気付いたかというと、
不思議なことに、私も仕事の場面では夫のように

「まずAに決めて、うまくいかなければ調整すればいい」

と、早めの決断を下すことがあるからでした。

だから余計に思ったんです。

これって性格じゃなくて、
その時の“役割”や“目的”によって
思考のクセが切り替わるものなんだなと。

夫は長年経営者という立場もあり、
「まず決めて動く」ことが求められる場面が
圧倒的に多い。

その背景を知ったことで、
彼の“即断”も自然なスタイルとして見られるようになりました。

見えてきたのは、「すれ違い」の正体

夫から見ると、
私は優柔不断に見えていたかもしれません。

逆に私から見ると、
夫は「話し合いをすっ飛ばす人」に見えていた。

でも、そこで
「どっちが正しい?」と判断しようとすると、
会話は余計にこじれてしまう。

そうではなくて——

お互いの“思考の地図”が違うだけ。

その地図の違いを知るだけで、
見える世界がずいぶん変わりました。

夫は白黒ハッキリつけたい「デジタル脳」。
私は曖昧さの中でもじっくり考える「アナログ脳」。

どちらが優れているわけでもなく、
ただ「歩き方」が違うだけなんですよね。

だからこそ、ここからは

この違いを知ったうえで、
どうやってモヤモヤを減らすか?

私自身が効果を感じた
「ちょっとしたひとこと」について
次にお話ししたいと思います。

モヤモヤを減らすひとこと

「なんで分かってくれないんだろう」
「まだ話の途中なのに、もう会話終了打ち切りかい」

そんなモヤモヤを何度も感じてきた私ですが、
最近ある“ひとこと”を意識して伝えるようにしています。

それは、

「まだ考え中だから、もうちょっと一緒に話しませんかー」

というような、
“今の自分の思考モード”を言葉にすることです。

決めないこと=迷っていることじゃない

話しながら考えているだけなのに、
「決められない人」と思われてしまうことって
実はすごく傷つくんですよね。

正直に言えば、夫は以前
私のことを「グズだ」「劣ってる」みたいな
ニュアンスで表現したこともありました。

そんなふうに言われるたびに
「あぁ、やっぱり私はダメなんだ」と
思ってしまいそうになる瞬間もありました。

でも私は、
ただ「違うプロセスで考えているだけ」。

早さじゃなくて、
“納得感”を大事にしたいだけだったんです。

対話できないと決めつけず、小さく伝えてみる

一時期は、
「この人とは会話ができないんだ…」と
あきらめかけたこともあります。

でも、

「決めたい気持ちもわかるけど、
私は会話の時間も楽しみたい」と伝えてみたら、
少しずつ、夫の反応も変わってきました。

相手の“考え方のスピード”や
“視点”に歩み寄るには、
自分の立ち位置をまず伝えること。

そして、「私はこういうふうに話したい」と
少しずつ見せていくことで、

ほんの少しずつ、でも確かに
対話の形が変わっていくんだと実感しています。

考え方が違う人と、どうやって一緒に決めていく?

思考のタイプが違う者同士が
一緒に暮らしたり
何かを一緒に決めていくというのは、
ときに想像以上に難しさを感じるものです。

それでも、「違う=ダメ」ではなく
違うからこそ、うまく補い合える」という視点を持てたら
関係性は少しずつ柔らかくなっていきます。

まず“自分のスタイル”に自信を持つ

まず一番に必要だったのは、
自分の思考スタイルを認めることでした。

  • 「私は優柔不断なんじゃない、ただじっくり考えたいだけ」
  • 「一度決めたことを揺らぐのは悪いことじゃない、ちゃんと見直せてるってこと」

そんなふうに、自分自身のスタイルに
「これでいいんだ」と言ってあげることが、
他人との違いに折れない土台になります。

そして“違い”を前提にしたコミュニケーション

それからは、
会話の中で「違いがある前提」で
話すようにしてみました。

たとえば…

  • 「私は結論を急がずに話したいタイプだから、ちょっと考える時間が欲しい」
  • 「今Aって言ったけど、まだ気持ちが動くかもしれないから、即決じゃなくて仮でね」
  • 「いくつかの選択肢で話しながら、最終的にひとつに決めたい」

こんなふうに、

自分の“プロセスの持ち方”を
共有することそのものが、
大切なコミュニケーションになると学びました。

ズレを恐れず、“すり合わせる”という選択

「思考タイプのズレ」は、
価値観の衝突よりもずっと静かで
目立ちにくいものですが、

じわじわと関係に疲れをもたらします

でも、

言葉を使って少しずつ歩み寄ることで、

「一緒に決めていく感覚」
「自分の意見も尊重されているという感覚」

が、ちゃんと築けるようになってくるんです。

うちではまだ完璧じゃないけれど、
夫が「もう決めていい?」と
聞いてくれるようになったり、

私が「そろそろ決めようか」と
自分から言える場面も増えてきました。

「違いをなくす」ことじゃなくて、

“違うまま一緒にいられる方法を育てていくこと”

それが、
タイプの違うふたりがうまくやっていくための鍵なんだと
今は感じています。

まとめ 〜“違い”は、思いやりでつながる〜

会話がかみ合わない。

思ってもいなかったところでモヤモヤする。

でもそれって、
どちらかが間違っているわけじゃなくて

ただ“考え方のスタートライン”が違うだけ
だったのかもしれないということ。

ひとはそれぞれ、

早く結論を出して安心したいタイプもいれば、
じっくり話しながら考えを深めたいタイプもいる。

それは生き方のクセみたいなもので、
「正しい・間違い」や「優れている・劣っている」
で測れるものではありません。

もし今、あなたが誰かとの会話の中で
「わかってもらえない」と感じているなら

まずは自分の考え方を
相手に伝わる形”で表現してみることを
ちょっとだけ意識してみてください。

そして同時に

相手の思考のクセにも耳を傾けてみる。

「わかりあえない」とあきらめる前に、
「わかりあうプロセス」を育てていくことはきっとできる。

タイプが違うからこそ、
支え合える瞬間もきっとある。

そんなふうに、少しずつ歩み寄れる関係が
対話ができる関係”として育っていくんじゃないかと、
私は信じています。

「会話のつまずき」が、少しでも軽くなりますように。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です