「責任」という言葉。
大人になればなるほど
重たく感じることが多い気がします。
仕事で「責任を持って」と言われると
なんだかプレッシャーを感じますよね。
学生時代も母から「責任を取れ」と
叱られることが多かったように思います。
だから私自身も、ずっと
「責任=何か悪いことが起きたときに押しつけられるもの」
というイメージを持ってきました。
でも
子どもに「責任」を伝えるとなると
それではあまりにもネガティブすぎる
って感じたんです。
むしろ
「自分で選んだことを大事にできる」という
前向きな意味を教えたい。
そんな気持ちから、
今回私は小4のわが子に
「責任」の話をしてみました。
Contents
消しゴムを貸すときの責任
きっかけはとても些細なことでした。
子どもと一緒に宿題をしているときに
「責任ってどういうことか?」
という会話になったのです。
私は考えました。
小4にわかるような具体的な例ってなんだろう?
そこでとっさに思いついたのが
「消しゴム」でした。
「たとえばさ、消しゴムを友だちに貸すとき。
きれいに戻ってきても、半分に折れて戻ってきても
貸すって決めたのは自分でしょ。
それが“自分の責任”ってことなんだよ」
私はできるだけわかりやすく言葉を選んで伝えたつもりでした。
「責任=自分のせい」ではなく、
「責任=自分で選んだから受け止めること」
そう説明したかったのです。
子どもの反応は「なんで自分のせいなんだよ!」
ところが、
そのあとに返ってきた言葉が予想外でした。
「なんで自分のせいなんだよ!」
ああ、そうか……。
子どもにとって「責任」という言葉は
やっぱり
「悪いことを押しつけられるもの」
に聞こえてしまうんだ。
私はその瞬間、
自分が小学生のころを思い出しました。
「責任感を持ちなさい」
「責任を取るのが当たり前でしょ」
そう言われるとき、たいていは叱られている場面だった気がします。
「責任=やらされること」
「責任=自分が悪いことを背負うこと」
そんなイメージが
私の中にもずっと残っていました。
だからこそ
子どもも同じように「責任」と聞くと
「自分が悪者にされること」と
受け止めてしまうのは自然なことだったのです。

「責任」をどう言い換えればいいのか
「なんで自分のせいなんだよ!」
と反発されたとき、
私は少し言葉に詰まりました。
でもすぐに言い直しました。
「そうだよね。“自分のせい”って言われるとイヤな気持ちになるよね。
でも、責任って“せい”っていう意味じゃないんだよ。
“自分で貸すって決めたことが、自分の選択”っていうことなんだよ」
そう伝えると、
子どもは少し考えこんでいました。
そして、分かったような分からなかったような?
でも、
少し落ち着いた表情になりました。
私は改めて思いました。
責任を「せい」として押しつけるのではなく、
責任を「自分で決めたことを大事にする力」として教えたい。
子どもに「責任」を伝える難しさ
私は、子どもたちには
「責任感がある子になってほしい」
と願っています。
でも実際に
「責任」という言葉を子どもに使うと
どうしてもネガティブに響いてしまう。
その理由は、たぶん
私たち大人自身が
「責任=叱られる場面で聞く言葉」
という刷り込みを受けてきたからだと思うのです。
子ども時代、
「宿題を忘れたのは誰の責任?」
「掃除当番をさぼったのはお前の責任だろう?」
こんな風に
責任=失敗をなすりつけられるものとして扱われがちでした。
だから、
いざ親の立場になって
「責任を持つことは大事なんだよ」と言おうとしても
どこかで言葉が重たく響いてしまう。
それを敏感に受け止めた子どもが
「なんで自分のせいなんだよ!」と反発してしまうのも
ある意味当然だわ…と感じたんですね。
「責任」をポジティブに伝える言い換え
私はこの子供とのやりとりから学びました。
「責任」という言葉を子どもにそのままぶつけるより、
もっと柔らかい言い方に置き換えたほうが伝わるんだ、と。
たとえば……
- 「責任」=「自分で決めたことを大事にする」
- 「責任」=「自分の選択を最後まで受け止める」
- 「責任」=「自分で選んだから、自分で誇れること」
こう言い換えていくと、
子どもも「自分のせい」と言ったネガティブに感じずに
受け止められるのではないでしょうか。
そしてもう一つ
大事だと思ったのは、
「責任を果たすことは、自分の気持ちをスッキリさせることでもある」
という点です。
「自分で決めて、自分でやりきった」
その達成感や信頼感こそが、
本当の責任の意味だと私は思うんです。
私自身の「責任」へのイメージも変わった
子どもに話しながら、実は
私自身の中の「責任」のイメージも少し変わりました。
私はこれまで「責任」というと
どうしても重たいもの、失敗したら背負わされるもの、という
ネガティブな印象がありました。
でも、このやりとりを通して思ったのです。
「責任=自分で選んだことを大切にする」
そう考えると、
責任って決して嫌なものではない。
むしろ、
自分で選んで動ける自由があるからこそ
責任を持てるんだと気づきました。
それは大人である私自身にも
心を軽くしてくれる気づきでした。

まとめ:「せい」ではなく「選んだこと」
子どもと話した「責任」という言葉。
私にとって忘れられない出来事になりました。
「なんで自分のせいなんだよ!」
そう反発する子どもの声は、
まるで昔の自分自身の声のようにも聞こえました。
だからこそ
これからは子どもにも自分にも
こう伝えたいと思います。
「責任は“せい”じゃなくて、“自分で選んだことを大事にすること”。
責任は重荷じゃなく、自分を誇れる力なんだよ。」
子どもに教えるつもりが、
実は私自身が学んだ時間。
そんな体験を、これからも
子どもと一緒に大切にしていけたら素敵だなぁと思いました。
今回もお読みいただき
ありがとうございました!
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