正直であり続ける私と、承認を求める夫──17年目の結婚生活からの気づき

夫と一緒に夫の
服を買いに行ったある日のこと。

私は正直に思ったことを言っただけでした。

彼が選んだジャケットを見て、
「んー、私はそれちょっと似合わない気がする」と。

彼はその服をとても気に入っていて、
ワクワクしていたみたい。

だからこそ
余計に私の一言がご不満だったようで、
「ひとつもいいねと言わなかった(私が)」と
私を責めるような言い方をしてきました。

怒りというよりか、やるせなさが渦巻いて
心の中で
「なんで私が気を使わないといけないの?」
という思いも生まれました。

正直に“似合ってない事”を伝えたい。
だけど
言ったら責められる。

これが日常の積み重ねになっている──
その気づきが、
私にとっては大きな出発点になりました。

今回は、私の体験の整理と
そこから得た気づき

そして
「正直さを守りつつ、
相手の感情を不要に燃やさないための具体的対応」を
冷静にまとめてみようと思います。

事実と解釈を切り分ける

私が最初にやったことは
この出来事を

「事実」と「解釈」に分けて考えることでした。

  • 事実:
    夫はある服を選び、私に見せた。
    私は「似合わない」と感じ、それを口に出した。
    夫は気分を害した。そして、
    私を責める言葉を発した。
  • 解釈:
    夫は私の言葉を、
    「人格の否定」「自分の存在価値への否定」と受け取った
    私の内側では、
    「正直に言った自分は正しい」「責められるのは理不尽」と解釈した

ポイントはここです。

「似合わない」と言ったという
事実は変わらないけれど

その言葉にどんな意味を込めるか(=解釈)
人それぞれだということ。

夫の場合は
おそらく自己評価が外部に依存しやすく、
配偶者の評価を特に重視するタイプ。

だから、

私の一言が「否定」に直結してしまったのではないか。

この分離を頭で整理できると
感情的に反応する回数が減ります。

相手の反応は相手の課題であって、
私が全面的に背負うべき責任ではない

――そう自分に言い聞かせられるからです。

夫が「否定された」と感じる背景を理解する

なぜ私の「似合わない」が
夫の中で「否定」や「攻撃」に変わるのか。

ここにはいくつかの心理が働いています。

  • 承認欲求
    誰だって自分の選択が認められたいものです。
    特に身近な相手(配偶者)からの承認は、
    自己肯定感に直結します。
  • 外部依存型の自己評価
    自分の判断に自信がない場合
    重要な他者の反応が
    「正しさの指標」になりやすいです。
  • 期待の裏切り
    ワクワクして見せたものを
    近しい相手が否定することは
    期待が壊れる体験です。
    怒りや悲しみが混ざりやすい。
  • 私の言い方がキツかった(笑):
    私の買い物には急がして付き合わないくせに
    自分には時間を割くよう要求。
    これが日常茶飯事だったのもあり、
    言葉を選ばすストレートに感想を言ってしまった。

このような背景があると思いました。

そしてここから、
私が理解したのは

「彼が怒るのは服そのものだけの問題ではない」
ということ。

そこには

自分の判断を他人に支えられたいという
深い心理的ニーズがある。

つまり

問題の本質は「服」ではなく
「承認欲求と自己評価の構造」なのではないか?
と気付いたんです。

この視点を持っておくと、
次にどう対応すべきかが見えてきます。

相手の反応を、単なる
“八つ当たり”と切り捨てるより、
問題の構造を見つめた上で
自分の立ち位置を決める方が建設的
です。

「正直さ」を失わずに伝えるための言い方(実践フレーズ集)

じゃあ、どうしたらいいのか。

私は感じた事は正直に言いたい。

夫の為に、何枚ものオブラートに包んで
【似合ってないよ】を伝える為に気を使いたくない。

と言うのも本音。

自分の想いに「正直でありたい」。
でも、その一方で
「無駄なケンカはしたくない」。

ということで

解決策を考えてみました。

否定ではなく“部分肯定+提案”で伝える

  • 「この色はあなたにいいかもね。でも形はちょっと違う気がするな」
  • 「雰囲気は好きだけど、もう少し体に合うサイズだともっとよくなると思う」
  • 「これ、個性的で面白いね。でも私にはちょっと見慣れないかな。別の選択肢も見てみようよ」

こんな風に、少しでも良い面を見つけて
一緒に伝える工夫をすると

私は私に正直でいられて
夫は完全否定された気分には
なりにくい。

肯定→改善の順で伝えると、
防御反応が出にくいようです。

夫が強く反応したとき(攻撃的になったとき)

  • 「ごめんね、否定したくて言ったわけじゃない
    ただ自分の正直な印象を伝えただけなんだ」(逆に刺さるかな笑)
  • 「あなたがそれを気に入ってるなら、それを否定するつもりは全くないよ。
    ただ私はこう感じた、という話」
  • 「買うかどうかはあなたの判断でいい。
    私は賛同できないだけ」

ここでのポイントは、

「私はこう感じた」
「あなたが買うかどうかはあなたの自由」
であることを繰り返すことです。

責任を戻すことで、
不必要な押し付けを避けられます。

先手を打つ(買い物前に「スタンス」を確認する)

  • 「今日はあなたが自由に選んでほしい日?
    それとも私の目で一緒に選んでほしい日?」
  • 「私、正直に言うタイプでしょ?
    それで大丈夫?どっちがいい?」

事前に

今日はどういうスタンスで行くか」を共有すると
期待値のズレが起きにくくなります。

夫にとっては
“私の承認”が欲しい日もあれば
“試したい”だけの日もあります。

確認はシンプルで有効です。

攻撃されたときの心の持ち方と短い切り返し

「あなたが満足するなら買えばいい。
私はただ一個人の感想を言っただけ」

──この線引きをしっかりしておくと、
承認を求める行為が少し軽くなります。

加えて、攻撃された瞬間に
感情的に反応しないための心の準備
しておくと安心です。

心の持ち方(内面のスイッチ)

  • 「これは服の話。人格の話じゃない」 と自分に言い聞かせる。
  • 相手の怒りは相手の問題」 と距離を取る。
  • 相手が感情的な時は、言葉を重ねずに
    「事実」と「自分の感情」を限定して伝える。

切り返し(短く平らに)

  • 「私はこう言っただけで、あなたを責めたつもりはないよ」
  • 「私の好みとあなたの好みは違う。それだけのこと」
  • 「買うかどうかはあなたが決めていい。私はただ正直に伝えただけ」

切り返しは冷たく聞こえないよう、
言葉のトーンと表情で柔らかさを保つと効果的です。

言葉よりも、「落ち着き」が伝わると
相手の怒りにフォーカスしなくて済みます。

まとめ

ここまで色々と戦略を考えてみましたが
私が最終的に守りたいのは次の点です。

  1. 自分の正直さは失わない
    思ったことを口にするのは
    私の価値観の一部。
    それを無理に変えて相手をおだてる必要はない。
  2. 理不尽な攻撃は受け流す、または線を引く
    「あなたが賛同しないから買えない」と
    責任転嫁されたら、それは受け入れない。
    私は助言をしただけで、
    最終決定は相手にあると伝える。
  3. 関係のために必要なら対話をする
    繰り返し同じパターンが起きるなら、
    落ち着いた場で本質的な話(承認欲求や自己評価のこと)をする。
    必要なら専門家の助けも検討する。

夫は会社経営、
私は個人で事業をしていますが

経営ってすべて自己責任。
決断の重みも孤独も、
自分ひとりで背負うんです。

そういった意味では孤独なんですよね。

だからこそ、プライベートでは

身近な配偶者から承認されたい、という
気持ちも解らなくはない。

でも、

私にばかり押し付けてくるのは違うでしょ。
ってこと(笑)

これらは自分が譲れない価値基準でもあります。

結婚してもう17年になりますが

このルールを大切に守ることで
長く穏やかに、
互いに尊重し合える関係を作りたいと思っています。

今回もお読みいただきありがとうございました。