健康診断って、
毎回ちょっとした覚悟が
必要ですよね・・・?
去年の私は、
バリウム検査という名の
“回転ショー”に参加していました。
白い液体を飲んで
機械に貼りついて
指示通りに体をくるくる回されながら
「はい、次うつ伏せ」
「はい、仰向け〜」と
スタッフさんの声に合わせて動く。
あの瞬間、ふと我に返って思ったんです。
──これ、客観的に見たら
絶対おもしろい絵面だよな。
真剣な検査のはずなのに
板に張り付いて
ぐるぐる回る自分を想像したら
ちょっと笑えてきてしまって。
…げっぷ出ちゃって
胃カメラ撮影失敗っていう
苦い思い出。
けれど、笑っていられたのは
ここまでで
その後、翌日も便がなかなか出ずに
「え、これ詰まったんじゃ…?」と
不安でいっぱいに。
最終的に消化器内科に行って
「詰まってはいないですよ」
と言われてホッとしたものの
あの“出ない恐怖”が忘れられなくて
今年はバリウムではなく
「胃カメラ」を選ぶことにしました。
Contents
健康診断って、怖いけど避けられない
40代に入って、健康診断の
「おまけ」みたいだった胃の検査が
いつの間にか
“主役”みたいな位置づけになってきました。
若い頃は、バリウムも胃カメラも
なんとなくスルーしていたのに
年齢を重ねると
「一応ちゃんと見ておこうかな」
という気持ちになる。
去年、バリウムの件で初めて
消化器内科に行って
バリウムは詰まっているわけではないけど
40代だからと言う理由で
大腸内視鏡を勧められました。
そして
内視鏡検査時にポリープも見つかり、
そのままその時に除去。
全身麻酔でスッと眠って、
気づいたら終わっていたあの快適さに感動したんです。
あれならまた受けてもいいな、
そう思えるくらい穏やかな体験でした。
だから今年も当然のように、
“寝ている間に終わる胃カメラコース”
を希望。
今年の健康診断は快適に終わらせるぞー
そんな気持ちでいました。
まさかの“前歯NG事件”
ところが当日、
受付で看護師さんに言われたひと言で
すべてがひっくり返ります。
「前歯にぐらつきなどはありませんか?」
!!
実は、
右の前歯が少し不安定で、
固いものを噛むと違和感があったんです。
それを伝えたところ、
先生が眉を寄せて一言。
「寝ている間に食いしばって、
もし歯が折れたら大変なので、
全身麻酔はやめておきましょう」
……まさかの
“前歯のせいで麻酔NG”。
頭の中で
「え?え?え?えーーーー!」
と、エコーのように反響する声。
私は今日、寝てる間に終わる予定だったのに?
もう心の準備はベッドの上までできてたのに?
しかし現実は無情でした。
急遽
意識のある状態で行う
“鼻から胃カメラ”に変更となりました。
恐怖の検索タイム
「意識あるまま」
この言葉の破壊力たるや。
待合室で呼ばれるまでの数分、
私はスマホで
“鼻から胃カメラ 体験”とか
”胃カメラ 鼻 ブログ”
なんて検索していました。
出てくる出てくる…!!
「地獄だった」
「二度としたくない」
「鼻が焼けるように痛い」
……読むんじゃなかった。
読みながら、
心臓バクバク。
これはー
緊張で受けれないかも?
なんて考えてみたり。
とはいえ、
逃げるわけにもいかない。
「どうせやるなら、
せめて呼吸を整えよう」
そう思って、
診察室に入るまでの間
軽く瞑想するように
鼻呼吸をしていました。
「鼻で(の)呼吸
壱の型
鼻腔拡大」
なんてね・・・涙
前準備
名前を呼ばれて
カーテンで仕切られた
1人用リクライニングソファーに
座らせてもらいました。
諸々説明を受けました。
そして、
稀に鼻から胃カメラが出来ない人がいる
と言う案内にビビりつつ…
その旨も承諾。
私の場合、
口からは出来ないので
鼻から機材が入らなければ
胃カメラ検査は中止
と言う判断です。
その場合も料金は発生するらしいので
是が非でもがんばるぞ
という気持ちに(笑)
麻酔薬:鼻ヨガだと思えば大丈夫
まず最初に、
鼻の中に麻酔薬をスプレーされました。
たぶんこれは
接触面の麻痺剤?
の様なものだったと思います。
(緊張で覚えていません)
来るなら来い
の精神で待ち構えていた為、
これは持ったく問題なしでした。
そのあと5分ほど置いて、
どろっとした
“飲むヨーグルト”改め
”呑むヨーグルト”の様な麻酔薬を
看護師さんが
スポイトで鼻から注入してくれました。
冷たくて、ツーンとして、
少し涙が出る感じ。
でもここで、私は
「あ、これは鼻ヨガだ」と
思ってみることにしました。
以前、
インド人がしているという
”鼻うがい”を
教えてもらう機会がありまして…
鼻から液体を入れて、
口から出すー。
いや、
今回の麻酔は
飲み込んだのですが
それも
すぐに飲み込むんじゃなくて
麻酔薬の成分よ、染み渡れ・・・
出来る限り麻酔しておくれ…
そんな願いを込めて
「これも呼吸の一部」と
自分に言い聞かせる。
そのおかげで、
鼻の麻酔は意外と平気でした。

胃カメラ本番!
また部屋を変えて、
今度は横向きに。
唾液を垂れ流ししても大丈夫なように、
敷かれたペットシーツの上に
横たわる私。
手術着の格好の医師が
「よろしくお願いします。」
と挨拶してくださいました。
そして
手に持っている
黒い管が付いた機材にビビる私・・・
げ !その太さ!
入るの?!
問題は、やはり
いざカメラが通るとき。
特に、何も指導されなかったけど
気道確保のポーズのように
喉と鼻の気道をまっすぐにするように
そして
出来るだけ、喉を閉めないように
心がけました。
最初の数秒はビビりすぎて
叫びたくなる感覚・・・
思わず
オエ・・・とか
あ”ー、、、とか
何度も言っちゃった(笑)
鼻の奥が押し広げられるような痛みと共に
私は唾液よりも
涙がめっちゃ出ました。
わー、私、泣いてる・・・
苦しくて泣いてるw
と、俯瞰できるくらいの余裕はありました
が !
喉をカメラが通るまでは
やはり辛かったー・・・
喉を通過してからは
時々「オェ…」っとなるものの
力まず、落ち着いて
先生が私の胃の中を探索しやすいように
出来るだけ身体を動かさず
できるだけ協力しよう、と
意識を切り替えました。
「怖いけど、逃げない」
「気持ち悪いけど、
呼吸を止めない」
この“協力するスタンス”を持てた瞬間から、
不思議と痛みが少しずつ引いていった気もします。
怖さの正体は「受け身」だった
終わってみて感じたのは、
恐怖そのものよりも
「何をされるんだろう」という、
「自分が何もできないと思っていること」が
いちばん怖いんだということ。
たぶん、
「お客様思考」で受けていたら
私はもっと苦しかったと思います。
“やってもらう側”でいると、
体が無意識に防御反応を起こします。
身体はこわばり、喉が締まり…
先生はやりづらくなり
無理矢理こじ開けようとするから
どんどん痛みが増していく。
そのスタンスだったら
もしかしたら出来なかったかもしれない
とさえ思いました。
でも、
「先生と一緒にやる側」になった瞬間、
自分の体が協力出来たんですね。
力を抜くって、
“諦める”ことじゃなくて、
“信じる”ことなんだと気づきました。
これは胃カメラだけじゃなく、
人生全般にも言えることかもしれません。
人との関係でも
何かを学ぶ時でも
「やってもらう側」だと
苦しさが増す。
でも
「一緒に進める側」になれば、
少しの痛みも受け入れられる。
怖い体験ほど、優しくなれる
鼻からの胃カメラは、
決して快適ではなかったけれど
思っていたよりずっと
「平気」で良い体験でした。
鼻を通る痛みも、もう、それはそれは
マンガみたいに涙が垂れ流しに
滝のように出るくらいだったけれど
それを超えたあとに
不思議な達成感がありました。
「怖いもの」を怖がる自分を
否定するんじゃなくて、
どう向き合うかを選ぶ。
その選び方ひとつで、
体験の意味が変わるんだと思いました。
健康診断って、
どこか受け身になりやすいものだけど、
実は自分の体と対話する時間でもある。
力を抜く勇気。
信じて任せる柔らかさ。
その両方を、
私は今年の胃カメラで
少しだけ学んだ気がします。
でも、、、
次は
2or3年後でいいかな(笑)
来年はおとなしくバリウムを飲んで
いっぱい、いっぱい
いーーーーっぱい水を飲もう!
また板に張り付いて回転させられている自分を
想像して笑いながら、
少しだけ成長した気持ちで
来年は健診に望もうと思います!
お読みいただき、ありがとうございました!












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