反省してるみたいなので”に感じた違和感。学校と家庭の間で揺れる子どもの心

小学校の先生に不満がある——
そんなふうに感じたことはありませんか?

もちろん、先生方も人間ですし
日々多忙な中で
子どもたちと向き合ってくれていることには
感謝しています。

でも、ときどき
「え?」と驚くような言動に出会ってしまったり、

「その対応、
子どもの心にはどう映っているんだろう?」と
不安になることもあるのではないでしょうか。

私自身、つい先日そんな場面に直面しました。

ある日の学校からの電話

ある日、学校から
一本の電話がかかってきました。

「給食の時間に、息子さんが牛乳パックを拳で叩いて中身が飛び散ってしまいました」

先生の声は少し呆れたようで
明らかに“問題行動”として
伝えてきている口調でした。

その瞬間、私は正直
「何をしてるの!」という気持ちと同時に

「なにかあったのかもしれない」という
直感が湧きました。

なぜなら、

息子は普段からそんな
突発的な行動をするタイプではないからです。

この出来事の背景に何があったのか
少しずつ明らかになっていくうちに
私は子どもの心の複雑さと
親としての向き合い方について考えさせられることになりました。

「爆発」の背景にあった、たった一つの質問

きっかけは、
その朝の「朝の会」にありました。

息子は日直で、日直は
“みんなからの質問に答える”という
きまりだったそうで、

あるクラスメイトから
こんな質問が投げかけられました。

「7月10日に地球が滅亡するらしいんですけど、
地球が滅亡したとしたら人間は死ぬべきですか?」

突飛なようでいて、
子どもにとってはとても難しい問いですよね。

息子は真面目に考え、
自分なりの答えを出しました。

「はい」と。

すると、教室は一気にざわついたそうです。

「ひどい」
「なんでそんなこと言うの?」
「地球を滅ぼす気か」などといった
強い反応が返ってきたといいます。

息子は、

「もし本当に地球が滅亡するなら」
という前提で難しい問題に答えただけだったのに
自分がまるで地球を滅亡させる張本人かのように
非難されたのです。

その違和感や悔しさ、
先生が何も言わない違和感、
言い返せないもどかしさ等が心に残ったまま
給食の時間を迎えてしまったのでした。

給食中の出来事とその後の展開

そして、
その日の給食時間に事件は起きました。

息子は手にしていた牛乳パックを拳で叩き
中の牛乳が勢いよく破裂。

教室中に飛び散り、
周囲の友達にもかかってしまったのです。

その瞬間、
本人も「大変なことをしてしまった」と
強く自覚したそうです。

その後、先生に叱られ、
5時間目には1人だけ呼び出されて話を聞かれ、
6時間目にはなんと、
クラス全体の前で謝罪をすることになったそうです。

「迷惑をかけてすみませんでした。
これからは、何か困ったことがあったとき、
物に当たる前に、友達や先生に相談します」

この言葉が本人の意思によるものか、
先生の指導によるものかまでは分かりません。

ただ、その報告を息子から聞いたとき
私は胸が締めつけられるような思いがしました。

さらに先生は、
全体の前でこう付け加えたそうです。

「〇〇くん(息子)は反省している“みたい”なので、
 みんな許してあげてください」

——「みたい」って、なんだろう。

反省しているかどうかを“評価”されること

さらにそれが、

「みんなが許すかどうか」の判断基準になること。

そこには、子ども自身の気持ちよりも
周囲の空気や印象が重視されているような感覚があり、
私は強い違和感を覚えました。

もちろん、

担任の先生なりにその場を収めようと
してくださったのかもしれません。

でも、

こうした“場を収める”ための対応が、
かえって息子のような子をからかう構図を
助長してしまっているのではないか——

そのことに先生は全く無頓着なように思えました。

言葉一つで子どもが受け取る印象は大きく変わる

そのことを考えると、
親としてモヤモヤが残ったのも正直なところでした。

加えて、

これまでの先生の対応にも
気になる点はいくつかありました。

たとえば、以前息子が

「クラスでからかわれている」と話してきたとき
私が先生に相談したところ、
「それはいじめじゃない」と背景も確かめず
一言で否定されたことがありました。

また、

授業中に騒いでいる子どもに対して注意せず
逆にその子の要求に応じてしまうような場面も多く…

息子は
何が正しくてどう行動すればいいのか、わからなくなる
とこぼしていたこともありました。

私は、ただ、
学校が子どもたちにとって
「安心できる場所」であってほしい
と願っています。

だからこそ、

今回の出来事も
「問題行動」として処理されるのではなく
その背景にある感情や出来事に目を向けてほしい——

そんな思いが、強く残ったのです。

親として感じたこと、考えたこと

では、
親としてこうした出来事に
どう向き合えばよかったのか。

私は、今回の件で

「子どもが何を感じていたのか」を
できる限り丁寧に聞くことを心がけました。

「なんでそんなことしたの?」
ではなく、
「何があったの?」と聞く。

最初は話しづらそうにしていた息子も
少しずつ自分の気持ちを言葉にしてくれました。

彼なりに傷つき、混乱し、でも
自分が悪いとも思っていて…

複雑な感情が入り混じっていたことが
よく伝わってきました。

そんな息子の話を聞いているうちに
私もまた、今までの育児の中で知らず知らずのうちに
「こうあってほしい」という
期待を押しつけてきていた部分があったのではないか、
と省みる時間にもなりました。

子どもが感情を爆発させた時、
それを「問題行動」として片づけるのではなく
その奥にある気持ちに目を向ける

それが、親にできる第一歩なのかもしれません。

「こんな先生に“当たって”しまったら」親にできることとは?

学校の先生も人間ですから
子どもとの相性や関わり方に違いが出てくることは
ある程度仕方のないことかもしれません。

けれども、

今回のように
子どもの気持ちを汲まずに、一方的に
「反省しているかどうか」を決めつけたり
クラス全体の空気に委ねるような対応
をされてしまうと

親としてはどうしても納得できない気持ちが残ります。

しかもそれが、

自分の子どもが傷ついている場面であればあるほど
「このままでいいのだろうか」と
心がざわつくのは当然のことですよね。

では、

こんな先生に“当たって”しまった場合、
親としてはどう対応すればよいのでしょうか。

私が大切にしたいと思っているのは、
まず

「先生にすべてを委ねすぎない」こと。

学校との関係性を保ちながらも
ママはママとして、ちゃんと君を見ているよ
という姿勢を持ち続けることが大切だと感じています。

具体的には…

  • 学校での出来事について、子ども自身の言葉で聞く時間をしっかりとる
  • 子どもの感情や反応を否定せず、「そう思ったんだね」と一度受け止める
  • 先生に伝えたいことがある場合は、感情的にならず“事実”として簡潔に伝える

この3つを意識することで、
必要以上に先生と対立することなく
自分のスタンスを伝えることができると考えています。

子どもにとっても、

おうちでは分かってもらえてる
と感じられることが、
学校での出来事を乗り越える
大きな支えになるのではないでしょうか。

寄り添う力が、子どもを支える

今回の件で私が一番強く感じたのは
子どもが感情を表現できる場所の大切さ」でした。

先生に怒られ、みんなの前で謝り
周囲の反応を気にする——

そんな状況の中で、
自分の本当の気持ちを押し殺してしまった息子。

それでも、
家に帰ってきて、

時間をかけて少しずつ言葉を紡いでくれたとき
ようやく彼の「本音」に触れることができたように思いました。

思い出したのは、
2024年パリオリンピックを前に話題になっていた
フランス柔道界のレジェンド、テディ・リネール選手の言葉。

「試合前には、家族にそばにいてニコニコして笑っていてほしい」

彼のようなトップアスリートでさえ
家族の存在が精神的な支えになっている
というエピソードに
深く共感したことを思い出しました。

子どもにとって、親は
「評価者」ではなく、「安心できる存在」
でありたい。

うまく言葉にできない感情
もやもやした気持ち、
やり場のないストレス——

そんな見えづらい心の動きに
そっと寄り添える親でいたいと
改めて思った出来事でした。

親だからこそできる、たった一つのこと

今回の出来事を通して
私は「子どもの行動の裏にある気持ち」に
耳を傾けることの大切さを
あらためて実感しました。

先生の対応に違和感を覚えたのは
子どもの“表面的な行動”だけを見て判断されていた
というように感じたからです。

一方で、親である私は、子どもの
「なぜそうしたのか」
「本当はどう感じていたのか」を
時間をかけて聞くことができる立場にあります。

もちろん、
すべてを理解してあげられるわけではありません。

でも、

あなたの気持ちはここで受け止められるよ
と伝えること。

その積み重ねが
子どもの心にとって何よりの支えになるのではないか
と感じています。

理不尽なことに出会ったとき
うまくいかないことが重なったとき——

そのときに
親がどう見てくれているか」は
子どもにとって大きな意味を持ちます。

だからこそ、これからも私は
「評価」ではなく「共感」で
子どもと向き合っていきたい
と思える出来事でした。

今回も最後までお読みいただき、
ありがとうございました!

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