最近、ある出来事を通して
夫との価値観の違いに改めて気づかされることがありました。
それは、中学校の運動会でのひと幕。
息子が参加した競技のあと
思いがけず夫の口から出た言葉に
私はその場でうまく受け止めきれず、
心にモヤモヤを抱えたまま一日を過ごしました。
けれど、
あの出来事は私にとって
自分自身がどんな母親でいたいのか
そして、
夫とどのように向き合っていきたいのか
を考えるきっかけにもなりました。
この記事では、
そんな私の気づきと学びについて
綴ってみたいと思います。
運動会での出来事
長男の中学校で、運動会がありました。
彼は短距離走の選手に選ばれ
力いっぱい走りましたが
結果は残念ながら最下位。
でも、息子は
「走れただけでも名誉だった」と
前向きに話してくれました。
私は、結果よりも
そこに向かう姿勢や過程のほうが大切
だと感じていたので、
息子のその言葉がとても嬉しかったのです。
ところが夫は、
「残念な結果は、ちゃんと残念だったって
認めなきゃダメだ」
とひとこと。
その瞬間、私は胸に小さな違和感を覚えました。
「なんで、そんな言い方をするんだろう?」
「なんでそんなに”残念な結果”だと”認めさせる事にこだわるんだろう…」
「この子は、自分なりに頑張って納得してるのに…」
夫にとっては、
「悔しさを持たない」姿勢が甘さや、
自分を良く見せようとしていると映ったのかもしれません。
そして彼はこんなふうに感じているようでした。
- 負けをきちんと認めることが、次への一歩になる
- 結果を直視しなければ、現実社会では通用しない
- 子どもには、自分のように「厳しい現実」を乗り越えてほしい
つまり、夫は
「自分の成功体験こそが”正解”であり、
その体験を息子にもなぞらせたい」
こんな気持ちが強いのかもしれない…
そして
- 自分の価値観を無意識に正しいと信じている
- 「子どものため」という顔をして、本当は“自分の想い”を重ねている
そんな構図があることに、私は少しずつ気づいてきました。

夫の言葉に感じた違和感
夫は息子にこう問いかけました。
「残念な結果だったよね?悔しくないの?負けてそのままでいいの?」
私は内心、はっとしました。
夫の言葉のトーンには、どこか
「勝つこと」に重きを置いているような強さがありました。
まるで息子の気持ちを
否定するような響きさえ纏って…。
さらに彼はこう続けました。
「負けを認めることが大事だ。そうしないとプライドばかりが先に立ってしまう。
プライドじゃ食べていけない。素直なほうが、結果的に得をするんだ。」
私は、彼が何を伝えたいのか
分からなくなってしまいました。
勝ち負けにこだわる気持ち、
悔しさをバネにしようとする考え。
それももちろん大切な一面。
でも、息子の心の動きや、
今感じていることとは
少しズレているように感じたのです。
この時私が感じたのは、
「怒り」ではなく、「戸惑い」でした。
そしてその奥にあったのは
「自分の価値観を押し通したい」という
夫の強い思いだったと気付いたのでした。
“子どものため”は本当に“子どものため”?
夫は、「子どもの将来のために」と言いながら、
自分の経験や価値観をそのまま
息子に当てはめようとしているように感じました。
たしかに、
夫はこれまでの人生で
負けを認めず努力を重ねてきた人だった
のかもしれません。
そうやってサバイバルしてきたからこそ
同じ道を息子にも歩んでほしい
と思うのかもしれません。
でも、私は思うのです。
でも、それって本当に息子のため?
何を大切にして、
どんなことに心から力を注ぐか――
それは息子自身が選び、決めるべきこと。
すべてのことに全力で一番を目指すような生き方は、
時にしんどさや苦しさを伴います。
自分にとって何が大切かを見極める力こそ、
息子がこれから育てていくべき力ではないでしょうか。
だから私は、
息子の言葉を否定せず、
その価値観を大切にしてあげたい。
小さな選択ひとつでも
意味を見出し、自分の中で納得して進んでいけるように
なってほしいと思っています。
だから私は、夫がその場を去ったあと、
戸惑いの表情を浮かべていた息子にこんな風に伝えました。
「たとえば、君の大好きな車のレースで最下位だったら、
きっと悔しくて次はどうすれば勝てるか?って真剣に考えるよね。
でも、今回の徒競走でそこまで悔しくなかったのは、
君にとってそれほど大きな意味を持たなかったからじゃないかな。それって、悪いことじゃないと思うよ。
誰かの土俵で無理に勝とうとするより、自分にとって本当に大切なことを見つけて、
本気でがんばれる人になってくれたら、ママはとっても嬉しい。」
息子は、私の言葉を聞いて
ほっとしたように笑ってくれました。
夫とどう向き合っていくか
価値観がぶつかったとき、
私がいつも悩むのは
「どう伝えれば、相手に届くのか」ということ。
夫の思いを否定したいわけではありません。
彼なりに家族を思い、
息子のことを大事に考えているのも分かっているから。
ただ、その言葉が
ときに子どもに重くのしかかることもある――
そのことを、ただ感情的にぶつけるのではなく、
意味を持って丁寧に伝えることが大切だと感じています。

たとえば、
「プライドは大事だ」と言うなら、
それがどんな場面で支えになるのかまで伝える。
「素直さは金になる」と語るなら、
それがどんな経験に基づく言葉なのか、
息子にもわかるように伝えていく。
そうすることで、
息子は一方的に押しつけられるのではなく
「大人にもいろんな考え方がある」
と知ることができる。
選ぶのは本人。
だからこそ、選べる材料として
丁寧に伝える努力をしていけたらいいんだろうな。
と思いました。
実際には手が回らないことも多いですけどね(笑)
おわりに
夫と息子、そして私――
みんなが違う価値観を持っていて、
それぞれの中に正しさがある。
夫はまだその事に気付いていないけれど
だからこそ、その違いをどう受け止め、
どう歩み寄るかが、
これからの家族の関係に大きな影響を与えると思いました。
私は、息子には
「自分の気持ちや価値観を大切にしていい」
と伝え続けたい。
そして夫には、
「その言葉にどんな意味があるのか」を
一緒に考えられるパートナーでありたい。
「わかり合おうとする」ことが、
家族としての歩みに繋がると私は信じています。
今回も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました!
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