「ねえ、それ透けてるよ」から始まったモヤモヤ
ある日のこと。
夫が白いTシャツを着て出かけようとしていて、
よく見るとインナーが透けていたんです。
どう見ても格好悪いし、
何より本人も見た目には気を使っているタイプ。
これはやんわり伝えたほうがいいなと思って、
「ねえ、それ透けてるよ」と教えてあげました。
その後、夫は顔に日焼け止めを塗り出しました。
塗り方もちょっと雑だったので、
アドバイスしようとしたら…
「また何か言うの?」
その一言で、
私の中にじわっと湧き上がってきたのは
驚きと失望、
そして怒りに似たモヤモヤした気持ちでした。
Contents
モヤモヤの正体に気づいた瞬間
私が伝えたかったのは
「ダメ出し」じゃなくて「気づかい」
・・・の、つもりでした。
夫が恥ずかしい思いをしないように。
肌のダメージを防ぐために。
本人が「見た目に気をつけたい」と
言っていたからこそ、
私も「じゃあ協力しよう」
と思っただけなんです。
でも、
その気持ちはまるで届かず。
返ってきたのは
「口うるさいと思われたかも」という孤独感。
この出来事を通して、
私はふと気づきました。
私がモヤモヤしたのは
「相手のために言ったのに、悪者扱いされた」
という
“理不尽さ”に傷ついたからなんだと。

伝えたつもりが「口うるさい人」になる理由
「インナー透けてるよ」も
「日焼け止め、ムラになってるよ」も
どちらも見た目やケアに関する“事実”であって、
批判ではありません。
でも
受け取る側がその瞬間
「否定された」と感じると、
それはもう“攻撃”になってしまうみたいです・・・。
事実が「ダメ出し」に変換
今回のモヤモヤがなかなか消えなかったので、
どうして
“相手のために言ったつもり”が
“口うるさい”って受け取られてしまうのか?
自分なりに調べてみました。
すると、
出てくる出てくる。
- 「言い方の問題」
- 「タイミングの問題」
- 「男性の自尊心」・・・
なかでも私がハッとしたのは、
“人は内容の正しさではなく、
自分がどう扱われたかを覚えている”
という言葉でした。
つまり――
「透けてるよ」や
「塗り方ちょっとムラになってるよ」は
私としては“ただの事実”を伝えただけだったとしても、
相手にとっては
「ダメ出しされた」と感じる場合がある
ということ。
言ってる内容が正しいかどうか
じゃないんですよね。
その瞬間に
「自分がどう見られている」と感じたか。
そこが重要なんだと知りました。
さらに深掘りしていくと、
「自尊心が刺激されると、
人は話の中身ではなく“防御反応”で返してくる」
という心理学的な説明にも出会いました。
思い返せば、
私だって似たような経験がありました。
疲れてる時に「それ違うよ」とか
「もっとこうすれば?」なんて言われた時…
ありがたいより先に、
“ムッ”としてしまいます。。。
(なんて自己中な私・・・;)
つまり、
「口うるさい」と思われたからって、
それが私の“性格”の問題じゃない場合もあるんだなと、
ちょっとホッとしました。
特に男性は
「外見を指摘される=男としてナシと言われた」と
過剰に反応しがちなんだそうです。(なんでやねん。)
だから
内容の正しさではなく、
「自尊心を傷つけられた」
という気持ちに反応してしまうのかもしれませんね。
相手の“プライド”という見えない壁
本当は
「ありがとう」って言ってくれたら済む話なのに
なぜそれができないの?
と感じたこと、ありませんか?
でも、
実はこれ、
「ありがとう」と言うには、
ある程度自分に余裕がないとできない行動
なんですよね。
疲れていたり、
自信をなくしていたり、
過去に「注意=否定」と受け取る経験が多いと、
些細な一言でも防御反応が働いてしまうことがあります。
つまり、
「今、伝えても受け取ってもらえないタイミングだった」
だけなのかもしれません。
じゃあ何も言わないほうがいい?
そうは言っても、
放っておいたらこちらのストレスが溜まるばかり。
見て見ぬふりって、
意外とエネルギーを使います。
だって、
気になっちゃう性格なんだもの…!
だから私は、まず
「この話は、いま言っても大丈夫なタイミングか?」
を心の中で確認してから、伝えるようにしています。
例えば、夫が自分から
「見た目どうかな?」と聞いてきたら、チャンス。
あとは笑っているとき、リラックスしているときも◎。
逆に、忙しい朝や疲れている夜は地雷原です×
タイミングと伝え方、この2つの工夫で
口うるさい奴認定されずに済むことが
少しずつ増えてきました。

「一緒にやろう」の魔法のことば
これは私が最近実践しようとしていることですが、
「こうしたほうがいいよ」
という伝え方ではなく、
「一緒にこれやってみない?」
というスタンスに変えるだけで、
相手の反応が驚くほどやわらかくなります。
たとえば…
- 「最近、透けないインナー探してるんだけど、よかったら一緒に見に行こうよ」
- 「私、最近日焼け止めの塗り方ちょっと変えてみたの。効果良かったらシェアしようか?」
こんなふうに伝えると、
“指摘”ではなく“提案”に聞こえるから、
相手の防御スイッチが入りにくくなります。
それでも、やさしさは間違っていない
今回の一件で、私はムカッとしたし
落ち込んだけれど、
ひとつだけはっきりしていることがあります。
それは、
「私は夫を大切に思っていたからこそ、声をかけた」
ということ。
このやさしさが空振りだったとしても、
それが“間違い”だったとは思わない。
むしろ、何も言わずに
「勝手にしなよ」と突き放すことの方が、
私は苦しかったと思う。
相手に届かなかったからといって、
そのやさしさに価値がないわけじゃない。
そして…
いつか伝わる日が来るかもしれないと思って、
私はこれからも
やさしくある自分でいたいなと思いました。
おわりに
「また何か言うの?」という
たった一言に深く傷ついてしまったあの日。
でも、よく考えたら私は
「相手のことを大切に思っている自分」
にも気づけたんです。
それだけでも、
このモヤモヤには意味があったのかもしれません。
時には伝わらないこともある。
逆ギレされることもある。
でも、それでもなお、
私は大切な人に気づかいを届けていたい。
きっとそれが、
不器用で素直じゃない私なりの
愛し方なんだと思います。
今回も読んで頂き、ありがとうございました。
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